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海入った時の足元についての感想
世の中、嘘ばっかり。
信じられるものなんて何もない。自分が一番信じられないけどね。
そんな自分が、一番嫌いなの。
でも周りから見たそんなあたしは、きっと世界で一番自分が好きなんだ。
誰も分かってくれないなんて、思わないよ。
あたしを他の誰かに当てはめて、分かったフリをしてくれる。
それが窮屈だったり楽だったりして、いつも結局自分がオリジナルなのかどうか曖昧になってくる。
いつでもあたしは、曖昧に過ぎていく。
「愛してる」
そんなの、言われても。
あなたあたしのこと、何も知らないでしょ。
驚きもしないし。冷めたりもしないの。
ただあなたがあたしの目を見ながら、それを誰に言ってるのかなって思った。
真剣な顔で、誰を見てるのかな。
あたしは何だかちょっと泣きそうになって、下を向きながら「うん」って言った。
彼は少し首を傾げて、黙ってた。
間があったからいけなかったのかな。
どうなるかなんて分かってたの。
我慢してたわけじゃないよ。そんなの、考えたことない。
でも、答えてよ。「ねえ…」
「あたしは正直、そう言われるの初めてじゃないし、あなただから聞くわけじゃないんだけど」
急にしゃべりだしたからびっくりしたみたい。
「うん」って2文字、噛んでた。
「愛してるって、何?」
え?
ほらね。分かってたでしょ?
夜中あたしは、いつもこの場所に来る。
いつもじゃなかった。何か失敗した時には、大抵。
夏は暑くて、虫が飛んでる。冬は寒くて、真っ暗。
汚い水が流れていく川の音と、誰も見ないから、誰も手入れしない花壇。
あたしが見つける前から雑草を掻き分けた道が出来ていたし、もしかすると、ここは他の誰かの場所だったのかもしれない。
でも多分今はずっと、あたしの場所なんだ。
やっぱりあたしと、誰かの。
花壇のふちの土を払って、わざと大げさに腰掛ける。
『またか』って言われて、ため息をついた。ちょっと今の白くなってなかった?
夜はもう、肌寒い。
いつからいたのか分からないし、いつまでいるのか聞けない。
あたしはただ、誰でもいいから聞いてほしかった。
今までやこれからなんか考えず、利己的で心無い、でも本当は優しいあたしの全部を
何もかもさらけ出して知ってほしかった。
怒られに来てるんじゃないけど、怒られるのは知ってる。
昨日のこと話したら、おじさんは『お前が嫌いだ』って言った。
あたしはニコニコして「分かってる」って答えた。
おじさんの言葉、分かってる。
そんなことされたらあたしだって嫌。でもね。
半年かな。でも。
傷つけるつもりなんて無かったよ。だって。
ちゃんと好きになって付き合ったよ。だってね。
試してなんかない。でも。
でも、っていくら言ってみても、その先の言葉は見つからない。
じゃああたしは、彼のことが好きじゃないから、無邪気を装って傷つけたんだろうか。
そんな気がしてきた。
だってあたしは、そんな人間だと思う。
『いつも何でも分かってるって言うじゃないか』
ごめん。
分からなくなったの。
『分かってたものが分からなくなった?』
ううん。
ほんとは何も分かってなかったの。
クールに街を歩いて、わざわざ皆が他人だと認識する。
あたしは甘えて頼ってきた全てを抱きながら、さよならを告げた。
抱えきれない優しさをこぼしながら、もっと温かいものを探した。
あたしはもう、大分前から何も分かってなかった。
溢れ返る「愛してる」に、巻き込まれたくなくて、あたしだけに言ってほしくて。
それがあたしだけに言ったものなのかどうかなんて分からないから、いつの間にかあたしは、分かったフリをして考えるのをやめてた。
考えた先には、嫌なことしかないと思ったから。
でもね、聞いて。
あたしは、なんていうか、きっとあの人が好き。
あ、でもの続き、出てきたよ。
『愛してるって言われて、どう思った?』
嬉しかったの。
『それ以上に言葉の意味が、必要なのか』
ううん、もういらない。
立ち上がって夜空を見た。
星なんかひとつも見えなくて、堤防の上の街灯だけが光ってて、少し笑えた。
コートの一番上のボタンを留めると、襟から暖かさがボフッて出てきた。
帰ったらね、うまく言えないけど、あたしの今の気持ちをあの人に伝えるよ。
「もう帰るね。」
『俺はお前が嫌いだ』聞こえないフリして、歩き出してから「分かってる。」って答えた。
夜道を歩いてたら、冷たい風の音で聞き逃しそうだったけど、メールが来た。
「昨日はごめん。
あれから色々考えたけど、やっぱりうまく言えない。
でも好きなんだ。
だから今はただ、抱きしめたい。」
あたしも。
返信する前に、走って戻った。
おじさんに、あたしは大丈夫だよって伝えたくて。
きっと調子のいい女だなんて言うかな。
そんなの、分かってる。
せっかく留めたボタンを外して、何年ぶりかに本気で走った。
早く、早く伝えなきゃ。
だけど息を切らしながら花壇のとこまで来たら、おじさんはいなくなってた。
どうして?
いつもここにいたのに。
春も、夏も、秋も、冬も、ずっとここにいたのに。
あたしが泣いてる時も、落ち込んでる時も、話を聞いてくれたじゃない。
嫌いだって言いながら、全部聞いてくれたじゃない。
それなのに、ありがとうって言葉は聞いてくれないの?
花壇の裏とか、岩の間とかも探したけど、どこにもいない。
走った時の汗が体温を奪いながら消えていくのを感じて、涙が出てきた。
風で飛ばされて、川に流されちゃったのかも。
そう思ったら、立ち尽くしたまま動けなくなった。
もう二度と、おじさんには会えないんだ。
1週間探して、あたしは冷静にそう思った。
ねえおじさん、あたしはもう、大丈夫だよ。
今は幸せだし、この先何があっても、きっと大丈夫だよ。
だから、聞いて。
ありがと。
あたしはそれ以来、空き缶と話すのをやめた。
←病院は行かないけど応援してぉ
(´Э`)
信じられるものなんて何もない。自分が一番信じられないけどね。
そんな自分が、一番嫌いなの。
でも周りから見たそんなあたしは、きっと世界で一番自分が好きなんだ。
誰も分かってくれないなんて、思わないよ。
あたしを他の誰かに当てはめて、分かったフリをしてくれる。
それが窮屈だったり楽だったりして、いつも結局自分がオリジナルなのかどうか曖昧になってくる。
いつでもあたしは、曖昧に過ぎていく。
「愛してる」
そんなの、言われても。
あなたあたしのこと、何も知らないでしょ。
驚きもしないし。冷めたりもしないの。
ただあなたがあたしの目を見ながら、それを誰に言ってるのかなって思った。
真剣な顔で、誰を見てるのかな。
あたしは何だかちょっと泣きそうになって、下を向きながら「うん」って言った。
彼は少し首を傾げて、黙ってた。
間があったからいけなかったのかな。
どうなるかなんて分かってたの。
我慢してたわけじゃないよ。そんなの、考えたことない。
でも、答えてよ。「ねえ…」
「あたしは正直、そう言われるの初めてじゃないし、あなただから聞くわけじゃないんだけど」
急にしゃべりだしたからびっくりしたみたい。
「うん」って2文字、噛んでた。
「愛してるって、何?」
え?
ほらね。分かってたでしょ?
夜中あたしは、いつもこの場所に来る。
いつもじゃなかった。何か失敗した時には、大抵。
夏は暑くて、虫が飛んでる。冬は寒くて、真っ暗。
汚い水が流れていく川の音と、誰も見ないから、誰も手入れしない花壇。
あたしが見つける前から雑草を掻き分けた道が出来ていたし、もしかすると、ここは他の誰かの場所だったのかもしれない。
でも多分今はずっと、あたしの場所なんだ。
やっぱりあたしと、誰かの。
花壇のふちの土を払って、わざと大げさに腰掛ける。
『またか』って言われて、ため息をついた。ちょっと今の白くなってなかった?
夜はもう、肌寒い。
いつからいたのか分からないし、いつまでいるのか聞けない。
あたしはただ、誰でもいいから聞いてほしかった。
今までやこれからなんか考えず、利己的で心無い、でも本当は優しいあたしの全部を
何もかもさらけ出して知ってほしかった。
怒られに来てるんじゃないけど、怒られるのは知ってる。
昨日のこと話したら、おじさんは『お前が嫌いだ』って言った。
あたしはニコニコして「分かってる」って答えた。
おじさんの言葉、分かってる。
そんなことされたらあたしだって嫌。でもね。
半年かな。でも。
傷つけるつもりなんて無かったよ。だって。
ちゃんと好きになって付き合ったよ。だってね。
試してなんかない。でも。
でも、っていくら言ってみても、その先の言葉は見つからない。
じゃああたしは、彼のことが好きじゃないから、無邪気を装って傷つけたんだろうか。
そんな気がしてきた。
だってあたしは、そんな人間だと思う。
『いつも何でも分かってるって言うじゃないか』
ごめん。
分からなくなったの。
『分かってたものが分からなくなった?』
ううん。
ほんとは何も分かってなかったの。
クールに街を歩いて、わざわざ皆が他人だと認識する。
あたしは甘えて頼ってきた全てを抱きながら、さよならを告げた。
抱えきれない優しさをこぼしながら、もっと温かいものを探した。
あたしはもう、大分前から何も分かってなかった。
溢れ返る「愛してる」に、巻き込まれたくなくて、あたしだけに言ってほしくて。
それがあたしだけに言ったものなのかどうかなんて分からないから、いつの間にかあたしは、分かったフリをして考えるのをやめてた。
考えた先には、嫌なことしかないと思ったから。
でもね、聞いて。
あたしは、なんていうか、きっとあの人が好き。
あ、でもの続き、出てきたよ。
『愛してるって言われて、どう思った?』
嬉しかったの。
『それ以上に言葉の意味が、必要なのか』
ううん、もういらない。
立ち上がって夜空を見た。
星なんかひとつも見えなくて、堤防の上の街灯だけが光ってて、少し笑えた。
コートの一番上のボタンを留めると、襟から暖かさがボフッて出てきた。
帰ったらね、うまく言えないけど、あたしの今の気持ちをあの人に伝えるよ。
「もう帰るね。」
『俺はお前が嫌いだ』聞こえないフリして、歩き出してから「分かってる。」って答えた。
夜道を歩いてたら、冷たい風の音で聞き逃しそうだったけど、メールが来た。
「昨日はごめん。
あれから色々考えたけど、やっぱりうまく言えない。
でも好きなんだ。
だから今はただ、抱きしめたい。」
あたしも。
返信する前に、走って戻った。
おじさんに、あたしは大丈夫だよって伝えたくて。
きっと調子のいい女だなんて言うかな。
そんなの、分かってる。
せっかく留めたボタンを外して、何年ぶりかに本気で走った。
早く、早く伝えなきゃ。
だけど息を切らしながら花壇のとこまで来たら、おじさんはいなくなってた。
どうして?
いつもここにいたのに。
春も、夏も、秋も、冬も、ずっとここにいたのに。
あたしが泣いてる時も、落ち込んでる時も、話を聞いてくれたじゃない。
嫌いだって言いながら、全部聞いてくれたじゃない。
それなのに、ありがとうって言葉は聞いてくれないの?
花壇の裏とか、岩の間とかも探したけど、どこにもいない。
走った時の汗が体温を奪いながら消えていくのを感じて、涙が出てきた。
風で飛ばされて、川に流されちゃったのかも。
そう思ったら、立ち尽くしたまま動けなくなった。
もう二度と、おじさんには会えないんだ。
1週間探して、あたしは冷静にそう思った。
ねえおじさん、あたしはもう、大丈夫だよ。
今は幸せだし、この先何があっても、きっと大丈夫だよ。
だから、聞いて。
ありがと。
あたしはそれ以来、空き缶と話すのをやめた。



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